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【新型コロナウイルスの感染メカニズム解説】どうやって感染するの?今、わたしたちにできることは?

世界的な感染拡大が止まらない新型コロナウイルス。世界各国で猛威をふるい続けています。

この新型コロナウイルスの感染拡大を止めるために重要なのは、まず敵(新型コロナウイルス)を知ること。敵を知らずして対策も何もできません。

この記事を読むと

  • 人がどのように新型コロナウイルスに感染するのか
  • どのように予防すればいいのか
  • 今後の感染拡大はどうなるのか
  • 今、わたしたちにできること

これらが学べます。

※この記事は2020年3月時点の情報をもとに作成しています

コロナウイルスってどんなもの?

新型コロナウイルスの正式名称は、重症急性呼吸器症候群(SARS)関連コロナウイルス2(Severe Acute Respiratory Syndrome-Related Coronavirus 2)です。

COVID-19とも呼ばれます。

コロナウイルスの組成

新型コロナウイルスなどウイルスの組成はシンプルで、

  • タンパク質の殻
  • 遺伝情報の地図(RNA)
  • RNAを覆う脂質の膜

の3つから構成されています。

また、コロナウイルスは自分たちだけでは生きていけません。動物や人の体に入りこんで、やっとこさ生きているのです。

コロナウイルスの感染経路:①感染者の咳など飛散した唾

コロナウイルスの主な感染経路は、感染した人の唾などを介した感染です。

咳やくしゃみなどによって空気中に飛散したウイルスが指に付き、そのまま目や口、耳などに触れることで、体内にウイルスが侵入します。

コロナウイルスの感染経路:②物の表面

コロナウイルスはお金、食器、おもちゃ、電車のつり革、タッチパネルなど、たくさんの物の表面にくっついています。

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物の表面についたウイルスの寿命は、おおよそ2日程度と言われています。

これらを触った手で、口や目に触れることでコロナは体の中に侵入します。

ほんの数個のウイルスでさえ体に入ってしまうと、人体にとてつもない影響を与える可能性があるのが怖いところです。

【メカニズム】 人に感染すると、体の中では具体的に何が起こるの?

コロナウイルスが人体に入り込むと、肺・脾臓・腸を目指して体内に広がります。

特に、コロナウイルスが肺に入り込むと、重篤な症状が出ることが分かっています。

①入り込んだウイルスが臓器の表面にくっつく

ウイルスが体内に入ると、まずは臓器の表面に、正確には「上皮細胞」にくっつきます。

②上皮細胞内にウイルスが侵入

くっついた上皮細胞内に、ウイルス自身の遺伝子情報がそっと入れ込まれます。上皮細胞はこのことに気づくことができません。

③上皮細胞がいつも通り、遺伝子のコピーをつくる

細胞には生きていくための機能として、複製という遺伝子のコピーを作る機能があります。

古くなった細胞を壊し、遺伝子のコピーをもとに新しい細胞を作ることで、細胞は正常に存続できているのです。

コロナウイルスの遺伝子情報が埋め込まれたことなど全く知らない上皮細胞は、いつも通り細胞内にある遺伝子情報をもとに、遺伝子のコピーをつくります。

こうして、コロナウイルスの遺伝子情報が上皮細胞内にたくさん作られていきます。

④上皮細胞内でウイルスが増産

コロナウイルスは遺伝子情報だけでなく、ウイルスの素材であるタンパク質の殻や脂質膜もたくさん増やします。

そして、これら素材を巧妙に組み立てることで、上皮細胞内にコロナウイルスが増産されるのです。

④上皮細胞が自害して、増えたウイルスが細胞外に飛び散る

細胞内にウイルスが増え続けて生命活動が維持できなくなった上皮細胞は、最後に自分を殺してしまいます。

上皮細胞が死んでしまったことで、細胞内から出ることができたコロナウイルスは、さらにいろんな細胞へと広がっていきます。

⑤コロナウイルスが体内で激増

上皮細胞から飛び散ったコロナウイルスは他の様々な細胞内に入り込み、その数を激増させます。

10日ほど経つと、数100万個の細胞がコロナウイルスに感染し、コロナウイルスは数10億個にまで膨れ上がっています。

⑥ウイルスによって免疫系システムが錯乱

ウイルスなどの外敵から身を守るために、人には免疫系システムが導入されています。

免疫系システムは戦闘力が高いので、味方でいる分には非常に心強いですが、敵に回すとかなり厄介です。

この免疫系システムは本来わたしたちを守るための機能であり、正常状態ではきっちり調整されています。

しかし、コロナウイルスはこの免疫系システムの役割をおこなっている免疫系細胞にも感染します。

すると、免疫系細胞は混乱してしまい狂気の戦闘状態に陥ります。

戦闘状態になった免疫系システムは、必要以上に免疫細胞の増員を要請します。

この時に増員される好中球,キラーT細胞が特に戦闘能力が高く、厄介なことになります。

好中球

好中球は殺傷能力に優れている免疫細胞です。

コロナウイルスに感染した免疫細胞たちから援助要請をうけた好中球は、数1000単位で駆け付けます。

そして、好中球から酵素が振りまかれることでコロナウイルスを殺しますが、同じくらい正常な細胞まで殺されてしまいます。

キラーT細胞

キラーT細胞は異常な細胞をみつけたらさっさと殺してしまう、「細胞の殺し屋」です。

普段は異常な細胞のみを殺していますが、コロナウイルスによって錯乱状態になったキラーT細胞は、正常な細胞まで大量に殺してしまいます。

⑦ダメージが蓄積、後遺症が残るケースも

錯乱状態の免疫システムが作動すればするほどに体にダメージが与えられます。

これが悪化してしまうと、修復不可能な傷となってしまい一生消えない後遺症が残る可能性があります。

⑧回復

ほとんどの人は、ゆっくりと免疫系システムが正常にもどり、コロナウイルスに感染した細胞のみを排除するようになります。

症状としては軽い熱や咳のみでおわるケースが多く、徐々に回復していきます。

一部の人は重症化する

悲しいことに、一部の人は確実に重症化するようです。

メカニズムの⑦での体へのダメージが大きすぎると、肺を覆っている上皮細胞などの数が減りすぎてしまい、すきまだらけです。

その結果、普段ならかかるはずもない弱く無害な細菌にさえ感染してしまい、ひどい肺炎を引き起こします。

この肺炎は呼吸が不可能なほどひどく、人工呼吸器や人工肺がなければ、患者は生き残れません。

免疫システムが細菌の増殖に負けると死亡

コロナウイルスに感染してから、免疫システムは数週間ずっと全力で戦ってきました。

もうボロボロで体力がありません。

そんな時に、今度は別の細菌やウイルスが体で増殖されるとたまったものではなく、あっという間に全身に広がり、死に至ります。

突然人が倒れるといったニュースも、これが原因なのかもしれませんね…

インフルエンザとコロナウイルス、どっちが危険?

コロナウイルスはインフルエンザウイルスとよく比較されます。

パンデミックのさなか、まだ正確な死亡率は算出されていませんが、インフルエンザよりもコロナウイルスの方がはるかに危険であることは間違いないです。

コロナウイルスは感染力が異常に強く、感染スピードがインフルエンザの比ではないことは確実です。

今後の感染拡大はどうなる?2つの未来

パンデミックの進行には「速いもの」と「遅いもの」の2パターンの未来があります。

どちらの未来をたどるかは、パンデミック初期のわたしたち全員の行動にかかっています。

急速なパンデミック

急速なパンデミックはたくさんの人の命を奪います。

この急速なパンデミックの最悪シナリオは、

  1. 何も対策がとられず、一気にたくさんの人に感染
  2. みんなが同時に発症
  3. 人の手が足りず、病院での治療が追い付かない
  4. 道具も足りなくなる
  5. 治療されないまま死亡する人がたくさん出る
  6. 医療スタッフに感染が広がり、状況がより悪化する
  7. 命の選択をせざるを得なくなる

です。

ゆっくりとしたパンデミック

パンデミックをゆっくりとさせられれば、みんなが適切な治療を受けらますし、病院への負担も少なくすみます。

結果として、たくさんの人の命が助かります。

今、わたしたちにできること

新型コロナウイルスに対する有効なワクチンや治療薬がない中、わたしたちにできることはパンデミックをおくらせて、みんなが治療を受けられるようにすることです。

大切な家族や恋人を守るには、治療薬ができるまで時間を稼ぐ、パンデミックを遅らせるしかありません。

そのために守るべきことはたった2つ!

①自分が感染しないこと

②他人に感染を広げないこと

自分が感染しないためには、石けんでの手洗いがとっっても効果的!

石けんにがウイルスを覆っている脂質膜を破壊するので、根本的にウイルスを殺します。

https://rakkonosumika.com/%e3%81%be%e3%81%a0%e8%b2%b7%e3%81%88%e3%82%8b%ef%bc%81%e3%81%99%e3%81%90%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%82%8b%ef%bc%81%e6%96%b0%e5%9e%8b%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e3%82%a6%e3%82%a4%e3%83%ab%e3%82%b9%e3%81%ab/

家にこもれる人は家にこもる!

お医者さん、警察官、スーパーのレジ係、電力会社、水道会社の人たちのように、わたしたちの生活を支えてくれる人は、大変な状況下でも必死で戦ってくれています。

この人たちが感染しないよう、不要不急の外出はやめましょう。

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新型コロナウイルスが怖い!怖さを和らげるには、まず敵を知ること!

新型コロナウイルスが怖くて仕方がない!って人も少なくないはず!

でも、ずっとビクビクしているだけでは何も始まらないし、心の健康にも悪いです。

まずは新型コロナウイルスについてしっかりと知識をつけて、「少しでも効果的な予防方法を生活に取り入れる」というように実際に行動に移してみましょう!

動画で理解する

動画で理解したい!って人のために、動画を貼っておきます。

音声は英語ですが、日本語字幕がついているので分かりやすいです。

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